かつては2色程度だったiPhoneのカラーも今ではすっかり増え、最新のiPhone8/8Plusでは、基本4色+PRODUCT REDの合計5色展開となっています。
以前の白黒2色展開時代と比べると、カラーの選択肢も増えて、選びやすくなってきたのではないでしょうか?今回は、そんなiPhoneのカラー展開について、新しい情報が入ってきたのでご紹介します。
これまでのiPhoneのカラー展開
元々、iPhoneはカラーの選択肢が少なく、iPhone4sや5などは2色しかありませんでした。
状況が変わったのは、2013年に登場したiPhone5sと5cから。この年は、フラグシップ機の5sにゴールドを追加して3色展開に、廉価版と位置づけられた5cは5色のパステルカラーで展開されました。
ただ、(少なくとも日本国内では)iPhone5cの人気はそこそこで、5sの方が売れ筋であった様子。これは、
- 当時行われていたキャリアやショップ割引施策で、iPhone5sと5cの価格差が縮まっていたこと。
- iPhone5sの方がCPU性能が優れていたこと(5sは5cより1世代後の最新CPUであり、なおかつ64bitに初めて対応していた。)
などが理由と考えられます。
実際、私も当時ショップでiPhone5sを購入しましたが、店員さんから5cを勧められることはありませんでした。
今回のiPhoneは、現時点での噂情報を見る限り、5sと5cの頃ほどの明確な性能差はなさそう。それだけに、販売側も価格やプロモーションに気を付けないと、今度は廉価版ばかり売れてしまうという逆転現象も起こりうるので、注意が必要と言えるでしょう。
次期iPhoneの1機種はカラフルな5色展開に?
先月、海外のApple製品情報メディア「9to5Mac」から、次期iPhoneのカラー展開について報道されました。
New 2018 iPhone models to come in gold, grey, white, blue, red and orange colors(9to5Mac)こちらの記事によると、Appleに詳しいアナリスト(Ming-Chi Kuo氏)が、次期iPhoneでは5色のカラフルなカラー展開が行われると発言したとのこと。
かねてより、今年のiPhoneはサイズやスペック違いの3機種になると予測されていますが、このうち廉価版(画面サイズ6.1inchとされている物)が、5色展開になる可能性が高いそうです。
ちなみに、その他のサイズのiPhoneについては、iPhoneXで廃止されていたゴールドが復活するとのこと。
あくまでも噂情報ではありますが、ちょっと楽しみですね。
多色展開のApple製品といえば…
Appleの多色展開製品に触れる中で、忘れてはならないのが初代iMacこと「iMac G3」です。
こちらは、当時ブラックやベージュなどオフィス向けの色合いが殆どだったPC業界に、ボンダイブルーのお洒落な半透明ボディで衝撃を与えた製品。当初は1色のみでしたが、その後人気を受けてカラー展開を伸ばし、最終的には13色(柄物含む)と恐らくはApple製品市場最も多くのカラー展開を行ったモデルです。
その後、MacはiBookで5色のカラー展開を行った以外は、ホワイトやブルー、シルバーなどの単色展開が主流となっていきます。
現在、MacBookおよびMacBook Proで複数カラーの展開が行われていますが、それも最大3色で、かつてのiMacやiBookには及びません。
一方、Mac以外のApple製品では、割とカラーバリエーションを増やした物が多くあります。
その代表とも言えるのが、iPodシリーズ。
こちらは、その人気を押し上げたiPod miniで5色展開となったことを皮切りに、積極的なカラー展開が行われ、iPod nano(第4〜第5世代)では9色にまでカラーを増やしました。
最近ではカラーの数は落ち着いていますが、それでも主力にして唯一の現行製品であるiPod Touch(第6世代)は基本5色+PRODUCT REDの合計6色を用意。単独の機種としては、現在最も多くのカラー展開を行っているApple製品と言えます。
Apple製品を多色展開する難しさ
同じモデルで多くのカラー展開を行う場合、事前にある程度カラー毎の需要を予測した上で生産を行わなければなりません。
購入者が注文してから生産を始める方法(受注生産)であれば、それほど大きな問題にはならないのですが、iPhoneのように事前の作り置きが不可欠な製品の場合、この需要の予測を誤ると売れないカラーの在庫が溜まってしまい、大変なことになってしまいます。
加えて、カラー毎に製造ラインを分ける必要があると、少ないカラーで同じ数を作る場合よりコストも多く掛かる上、1色あたりの生産台数が下がってしまうので、特定のカラーに人気が集中すると需要を捌ききれなくなることもあるのです。
Appleでは、クックCEOになってから順次iPhoneのカラーを増やしたり、新色を他のモデルより遅れて投入するといった方法を試しており、恐らく万全の体制をもって今年の新型iPhone投入を迎えると思われます。
ただ、今回は多色展開モデル以外のモデルも同時投入ですから、1カラー1機種でカウントすると実質的に10機種近い製品を同時に投入することとなります。
仮にこれが実現すれば、Appleの歴代製品の中でも最大の展開量となることは言うまでもありません。この秋のiPhoneは、クック船長の腕の見せ所でもあり、買う人も買わない人も、その動向に要注目と言えるでしょう。
まとめ
今回はiPhoneの多色展開の噂を元に、過去のApple製品のカラー展開の歴史や、多色展開することのデメリットについて簡単に解説してみました。
実際に多色展開されるのか、また発売時期を機種やカラー毎にずらしたりしないのか等、まだまだはっきりしない点も多くありますが、これは発表会までのお楽しみといったところでしょうか。今年はどんなサプライズが飛び出すのか、楽しみに待っていたいと思います。