先日から鳴り物入りで始まったのが、携帯大手3キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)による共通メッセージサービス「+メッセージ」。
Androidスマートフォンで先行導入されていたこのサービスが、いよいよiOSにも対応することとなりました。今回は、そんな「+メッセージ」とは何なのか、改めて解説したいと思います。
◆目次
SMSの発展版が「+メッセージ」
現在、iPhone・Androidスマートフォンを問わず、お互いの電話番号を知っていればSMSというメッセージサービスを使って、簡単にメッセージをやり取りすることが可能です。
日本だとLINEや通常のEメールが普及している為、あまりSMSを使う機会がないという方も多いかもしれませんが、海外ではSMSはかなりメジャーなサービスで、多くの人が利用しています。
そんなSMSですが、古くから存在する規格の為、手軽な反面、さまざまな弊害が目立つようになってきました。特に大きいのは、送信可能文字数に制限があることと、写真などのデータをやり取りできないこと。
「今から帰る」とか「少し遅れます」といった短文のやり取りならともかく、本格的なコミュニケーションを取るなら、ちょっと物足りないなというのが正直なところです。こうしたSMS特有の不便さを解消するために登場したのが、今回ご紹介する「+メッセージ」というわけです。
画像やスタンプのやり取りなど多くの新機能に対応
「+メッセージ」は、SMSの機能拡張版ですが、長文の送受信機能以外にも、様々な新機能が追加されています。
写真や動画などの送受信機能の追加でより使いやすく
+メッセージでは、SMSではできなかった写真と動画の送受信に対応します。これで、LINEやメールと同じような感覚で、電話番号しか知らない相手とも気軽にやり取りが出来ます。
写真や動画の容量は最大で100MBまでですが、送受信に掛かるデータ通信量を考えれば、現状はこれで十分といったところ。これ以上、容量の大きいデータをやり取りするのなら、素直にメールやDropboxなどのクラウドストレージを利用すべきです。
送達確認機能はSMSと同様に存在
現行のSMSでは、相手にメッセージが届いたかどうかをチェックできる「送達確認」の機能があります。
あくまで「届いたかどうか」をチェックするもので、相手がメッセージを見たかどうかまではわかりませんが、重要なメッセージを送る時には便利なもの。
+メッセージの場合、既読表示を送信者側が確認できるかどうかは受信者の設定に依存するのですが、これなら最低限無事に送信出来ているかはわかるというわけです。
スタンプ機能搭載で表現の幅が拡がる
日本ではLINEの普及により一般的となったこの機能に、+メッセージは最初から対応しています。
ただし、既存のメッセージアプリ(LINEやFacebook messenger等)のスタンプを使うことは出来ないので、別途+メッセージ用をダウンロードすることが必要になります。
+メッセージで有料のスタンプが提供されるかは不明ですが、行われる場合は、LINEなどの既存アプリとは別に課金が発生することになるので、スタンプを多用される方は課金が増えすぎないように注意した方が良さそうです。
グループチャット機能で会社や部活の連絡も楽ちん
複数人で連絡を取り合うとき、何かと便利なのがグループチャットの機能。+メッセージではこれも標準で対応しているので、仕事や部活、あるいは遊びの連絡なども、SMSより簡単に行うことができます。
メールではなかなかこうは行きませんから、単純にありがたい機能ですね。
通話機能には非対応
+メッセージはあくまでも「SMSの拡張」なので、LINEやFacebook Messengerのように、データ通信を利用した音声通話(VoIP)には非対応です。
メッセージのやり取りに特化している点ではしっかり割り切られていますが、LINEなどでチャットメッセージのやり取りから即通話へ移行するような使い方が多い方は、ちょっとストレスを感じるかも。
電話回線を使った通常の音声通話は、各キャリアによって微妙に機能面が異なるので、+メッセージに通話機能を統合するのは当面は難しいかもしれませんね。
国際規格に準拠も当面は国内のみ
「+メッセージ」は、RCSというメッセージの国際規格をベースに作られています。規格に完全に準拠しているという訳ではないのですが、全くの独自規格でもないので、今後の国際対応もそう難しくはないでしょう。
こちらの表現からもお分かり頂けたかと思いますが、現状、+メッセージは国際送受信には対応していません。
いずれは国際対応も行うでしょうが、当面、国外の人とやり取りするなら、既存のSMSやメールなどを使うことになりそうです。
MVNO(格安SIM)では+メッセージは当面非対応
大手キャリア各社の回線を借りて運営しているMVNO(格安SIM)事業者も、当面は+メッセージ非対応となります。
この辺りは、大手キャリアとしても門戸を閉じている訳ではなく、今後MVNO側からの要望があれば個別に対応する方針とのこと。ただ、大手キャリアでも導入が始まったばかりのサービスですから、MVNOで使えるようになるには、もう少し時間が掛かると思われます。
+メッセージは普及するのか?
+メッセージの発表時、メディアによっては「LINEの対抗馬か?」と報じられましたが、実際のところ、キャリア側にはそうした意図はない様子。それだけに、実際にどれだけ普及するのかは、正直なところ未知数です。
電話番号だけでやり取りできる為、他の類似サービスと異なりIDを交換したりする必要がないのは大きなメリットですが、既にLINEやFacebook messenger等を使っているユーザーが乗り換えるかというと、現状では微妙なところ。
また、MVNOや国外キャリア(国際送信)と現状やり取り出来ないことを考えると、+メッセージに完全移行するのも早計でしょう。
まとめ
今回は、国内大手キャリアの新サービス「+メッセージ」について、その機能やメリットなどを中心にご紹介しました。
LINEなどに取って代わる訳ではないので、ユーザー側への影響はあまりないかもしれませんが、今後どうなっていくのか、その展開に注目したいところです。