2015年のiPad Pro登場と同時にデビューしたApple Pencil。これまで、その相棒はiPad Proに限られてきましたが、今年の春モデルからは、いよいよ通常のiPad(第6世代)にも対応し、活躍の場が拡がりました。そこで今回は、そんなApple Pencilにスポットを当てて、その性能と魅力に迫ります。
◆目次
はじめにApple Pencilって何?
「Apple Pencil」は、その名の通りAppleがiPad専用に開発したタッチペン(スタイラスペン)です。Apple純正のスタイラスペンです。
このデバイスの登場まで、iPadで絵を描いたり文字を書く場合は、サードパーティ製のスタイラスペンを利用する必要がありました。
ただ、元々iPad(というよりもiOSが)スタイラスペンの利用を想定していない設計となっていた為か、いずれの製品も帯に短したすきに長しといった状況。これ1つで完璧!という製品は、残念ながら存在しませんでした。
そんな中、颯爽と現れたのが、Apple純正のスタイラスペンであるApple Pencilだったという訳です。
純正であることがApple Pencilの強み
Apple Pencilの強みは、なんと言っても純正ならではの快適な使い心地です。
これまでのサードパーティ製スタイラスペンの場合、Apple Pencil並みの機能をもたせようとすると、Bluetoothを使ってiPadとペアリングして、筆圧等の各種情報をiPad(内のアプリ)とペン側でやり取りする必要があります。
このペアリングが案外面倒で、この手の作業が苦手という方には、導入のハードルとなっていました。また、ペン側の充電が切れた場合も、その都度ケーブルに繋いで充電するか、電池を入れ替える必要がありました。
一方、Apple Pencilはどうでしょうか?
こちらは、対応機種のiOSやハードウェアがApple Pencilを使う前提で設計されているので、充電やペアリングなどの各種作業も簡単。
例えば、ペアリングは使いたいiPadのLightning端子にApple Pencilのそれを差し込むだけでOKですし、充電も同じ方法で可能です(LightningケーブルとApple Pencil付属の変換アダプターを使えば、iPhoneやiPadの充電器でも充電可能)。こうした方法は、基本的にサードパーティ製品では真似することが出来ません。
Apple Pencilの特徴・魅力
急速充電にも対応!15秒の充電で最大30分も使える
Apple PencilはiPadと無線接続してペンの傾きなどの情報をやり取りする為、ペン側にもバッテリーを内蔵しています。
当然、使えば充電が必要になりますし、充電を忘れていると、使いたい時にバッテリー残量0なんてケースも。でも、実際にはそこまで心配する必要はありません。
何故なら、Apple Pencilは急速充電に対応しており、15秒の充電でも最大30分間使う事が可能だから。
もちろん、連続して30分以上作業するなら改めて充電する必要がありますが、とりあえず30分間しのげるだけでも、性能的には十分すぎると言えるでしょう。
筆圧検知と傾き検知に対応
みなさんは、絵を描く時、わざと筆や鉛筆を紙に強く擦りつけたり、斜めに当ててみたりしたことはありませんか?
あるいは、学校の書道の時間に、文字のとめ・はね・はらいを意識して、力加減や筆の傾きを変化させて書いた覚えがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私達が日常使う筆記具は、いずれも筆圧や傾き具合で線の太さや濃さなどが大きく変わります。
Apple Pencilもその点は同様で、筆圧や傾きの検知機能を付けることで、実際のペンや鉛筆などで書いた時に近い表現となるよう調整されているのです。
実際には、こうした機能はアプリ側が対応している必要があるのですが、少なくともAppleが提供するiPadの標準アプリでは対応していますし、それ以外のサードパーティ製アプリも順次対応が進んでいます。同じ無線式のスタイラスペンでも、サードパーティ製の物はアプリによって対応が分かれることがあるので、その点でも標準のApple Pencilの方が最初の1本としてはお勧めです。
Apple Pencilの対応機種
- iPad Pro(9.7インチ)
- iPad Pro(10.5インチ)
- iPad Pro(12.9インチ)(第1世代)
- iPad Pro(12.9インチ)(第2世代)
- iPad(第6世代)
Apple Pencilの対応機種は「iPad Pro(全機種)」と「iPad(第6世代)」のみで「iPad mini」や「iPad(第5世代)」まで、「iPad Air」シリーズなどは、残念ながら対応していません。これからiPadを購入されるという方は、機種名や世代をきちんと確認しておきましょう。
Apple PencilのiPhoneへの対応
Apple Pencilは、現時点ではiPad ProとiPad(第6世代)のみの対応で、同じタッチディスプレイを搭載したiPhoneには非対応です。私個人としては対応して欲しいところではありますが、少なくとも以下の点から、すぐに対応することが難しいのではないかと考えています。
iPhoneの画面が小さい
iPhoneは、大型の画面を搭載したPlusシリーズでも、市販の小さめのメモ帳くらいのサイズしかありません。このサイズでも文字を書いたり絵を描いたりといったことは可能ですが、iPadと比べると、少々手狭です。
Apple Pencilに対応するには専用のディスプレイが必要
実は、Apple Pencil対応機種は、それに対応したセンサーを搭載した専用ディスプレイを使う必要があります。
iPadの場合は、筐体サイズも大きいためスペースにも余裕がありますが、iPhoneの場合、現在でもかなりキツキツの為、さらにApple Pencil用のセンサーを入れるのは少々難しいのではないでしょうか?
Apple Pencilの仕様
サイズ | 長さ:175.7mm(先端からキャップまでの長さ) 直径:8.9mm |
---|---|
重量 | 重量:20.7g |
接続 | Bluetooth Lightningコネクタ |
同梱 |
|
価格 | Apple公式 10,800円(税別) |
Apple Pencilの充電
Apple Pencilの充電はiPadのLightningコネクタに繋いで充電するか、またはApple Pencil充電アダプタとUSB電源アダプタを接続しての充電も可能です。Apple Pencil の充電残量は、iPad のウィジェット表示で確認できます。
ペン先の交換
Apple Pencilのペン先がすり減ったり損傷したりした場合はペン先を回して外し、新しいペン先を回して付けるだけで交換完了です。Apple Pencilのペン先の予備が1つ同梱されていますが、もしなくしてしまった場合はペン先のみの購入も可能です。
Apple Pencilが購入できるお店
Apple PencilはApple直営店である「Apple store」はもちろんのこと、全国の家電量販店などの「アップル製品取扱店」で購入することができます。
店舗以外でもWEBからでも購入可能です。
まとめ
今回は、第6世代iPadでも使用可能になったApple純正スタイラスペン「Apple Pencil」について、その魅力や機能に迫ってみました。
正直なところ、iPadを使っている全ての人にApple Pencilが必要かというと、当たり前ですがそんなことはありません。
ただ、これからiPadを買うという方の場合、将来的に使う場面が出てくることも考慮して、Apple Pencil対応機種を購入するのも悪くない選択でしょう。絵を描くといった本格的な使い方だけでなく、日頃のちょっとしたメモ書きや、対応アプリを使って仕事の書類にペンで注釈を入れるといったことも可能なので、指だけの操作に限界を感じていた方は、是非試してみてください。