毎月のスマホ料金を安くすることができると大人気の「格安SIM」ですが、意外と聞いたことはあるけど、まだよく分かっていない人が多いと思います。まずは入門ガイドとして初心者の方でもわかってもらえるように「格安SIM」について解説していきます。
◆目次
格安SIMって何なの?
『SIMカード』の意味って?
シム‐カード 【SIMカード】 の意味: 《SIMとはsubscriber identity module》 の略で、携帯電話やタブレット型端末などに差し込んで使用する、契約者の情報を記録した小さいICカード。
SIM、カード本体はスマートフォンやタブレットなどの中に入っている小さいICカードで、 LTE・3Gといったモバイル回線を使ってインターネットや通話をする際には、このSIMカードが必要です。
加えて 『格安SIM』 とは、小さいICカード 《SIMカード》 を使った、低価格なインターネット・通話サービスです 。
格安スマホでよく聞くMVNO(エム‐ブイ‐エヌ‐オー)って何?
【MVNO】の意味:《MOBILE VIRTUAL NETWORK OPERATOR》の略で、携帯電話の無線通信ネットワークなどを独自には持たないため、他社から借り受けて自社ブランドのサービスを提供する事業者を指し、携帯電話サービスのほかにも、同じ回線を使って、ポットの使用状況から高齢者の安否を確認するサービスや、車載通信機器を通じてカーナビのデータを更新したり、事故や盗難時に車の状況を知らせるなどのサービス、幼児や高齢者の所在位置確認サービスなど、独自のサービスを提供したりする、仮想移動体通信事業者など、具体的には、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、ウィルコム、UQコミュニケーションズなど通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)から回線を借りて、そこに独自のサービスを付加してコストを下げるなどの差別化を図って事業化しています。
因みに、格安料金で通信回線を利用しようとすると必ずと言っても良いほど目にするのが 「MVNO」 といった言葉。格安スマホに関してもMVNOなしで語ることはできません。
格安SIMと三大キャリアとの違い
Docomo/au/softbankの違いって?
ドコモ、au、ソフトバンクよりもメリットがなければキャリアを移行する必要もありません。ですがこれだけ話題になっているということは3大キャリアと比べてもメリットの方が大きい部分がありますが、 ではどこが違うのでしょうか?
通信費用の安さ
格安スマホはデータ通信制限や機能制限などがありその分、料金に還元をしています。 上記でも触れたように、事業を運営するにあたり3大キャリアとは比較にならないほど出費が少ないので通信費用を安くすることができます。
さらに、3大キャリアの契約というのは、ほぼ決まったプランと料金になっていてユーザーが自由に選べないといったデメリットがありましたが、しかしMVNOでは利用用途に合わせて細かいプランが用意されています。
料金や使用方法のシンプルさ
MVNOでは3大キャリアのようにややこしい契約プランというのは準備されていいないで自分が使いたい分のデータ通信量プランを選んで契約するだけです。3大キャリアのように複雑なプランを組んで料金を安くする、といった方法が取られていないのも魅力です。
契約期間も短く縛りも無い
3大キャリアではスマホ端末料金を実質0円にするために、最低2年間利用するといった条件が盛り込まれ、また解約は更新月では無料解約ができないといった最悪の条件でした。 格安スマホでは契約期間を設けないMVNO。あっても非常に短期間。また、毎月自由にプラン変更ができるMVNOなど多種多様です。
※データSIMであれば解約金はかからない。
解約した場合はSIMカードを返却するのですが、応じない場合に限りSIMカード損害金を支払いするケースがあります。つまり通話SIMに関してはMVNOが定めた期間内は使わないと解約料金が発生するので注意が必要です。
格安SIMの種類
格安SIMのサイズ
SIMサイズには3種類があり、サイズの大きいものから 『miniSIM』『microSIM』『nanoSIM』となっています。
SIMカードのサイズは使いたい端末(スマートフォン)に合わせてSIMカードのサイズを選択しましょう。例えばiphone6sであればnanoSIMが使えるサイズになりますし、現在(2018年2月)ではminiSIM (標準SIM) は使われる機会が少なくなりましたが2007年から発売されたiphone(初代)、iphone3Gには使われていました。
※SIMカードのサイズを変えたい場合
nanoSIMを使いっていてもしmaicroSIM、nanoSIMにサイズを大きくしたい場合は 『SIMアダプター』 を使います。SIMアダプターは、nanoSIMに装着することでmaicroSIM、nanoSIMのサイズに変換することができます。
音声通話SIMとデータ通信SIM
格安SIMに乗り換えるためにはSIMカードの種類を選択する必要があり、SIMカードの種類は 『音声通話SIM』 『SMS機能付きデータSIM』 『データSIM』 の3種類です。
音声通信SIMは、電話番号の引き継ぎ(080、090)や新規に電話番号を契約する際に選択して、SMS機能付きデータSIMはLINEなどのSMS認証 (ショートメッセージサービス) をする時に必要になります。
音声通話はいらないけどという方はSMS機能付きデータSIMがベストで、データSIMはデータ通信のみ行うSIMになり、音声通話、SMS機能 (ショートメッセージサービス) は利用できません。
4.格安SIMの回線の種類
前述のように格安SIMは大手通信会社(キャリア)の回線設備を一部借りて運営しているMVNOが提供するサービスで、格安SIMには回線の設備を借りている会社によって、通信できるエリアが違ってきますので重要な選択肢になります。
格安SIMの回線はドコモから回線を借りている格安SIM、 AUから回線を借りている格安SIM、ソフトバンクから回線を借りている格安SIMの3種類があり、ザックリと分けるとドコモの回線設備を利用している格安SIMが主流ですがAUの回線を使う格安SIM、最近ではソフトバンクの回線を使う格安SIMもあります。
またドコモの回線を利用していれば 『ドコモ系』 、AUの回線を利用していれば 『AU系』 のSIMと呼ばれます。
※格安SIMの回線というのはほとんどがドコモ回線を利用しています。
ドコモが保有している回線の余った分をMVNOに提供し、MVNO通信事業者が我々ユーザーに回線を提供しているのです。
ここで少し面倒なのが携帯3大キャリアの回線方式で、ドコモ・ソフトバンクは 『W-CDMA』 と呼ばれる回線方式を利用しているのに対し、auは 『CDMA2000』 といった回線方式を利用しているためこの回線方式に互換性がありません。
ザックリと言うとauのスマホを格安SIMで運用したい場合は、ドコモ回線を利用しているSIMカードを購入して差しても使えないと言うことです。
この辺りは間違える人が多いので注意をしましょう。
ドコモ系格安SIM
- BIGLOBEモバイル
- IIJmio
- mineo
- LINE Mobile
- OCN
- DMM mobile
- 楽天モバイル
- イオンMOBILE
- U-MOBILE
- Nifmo
- Nuromobile
au系格安SIM
- UQモバイル
- BIGLOBEモバイル
- Mineo
- IIJmio
ソフトバンク系格安SIM
- Y!mobile
- b-mobile
- U-mobile
格安SIMのメリット・デメリット
格安SIMに乗り換えれば月額料金が安くなるという話を聞いたことがあるかと思いますが、実は、格安SIMをおすすめ的な人、そうでない人があり、また、格安SIMにはメリットやデメリットが存在します。
格安SIMのメリットとは?
- あまりスマホを使わない人
- 通話をあまりしない人
- 初めてスマホを使う人
格安SIMは、普段スマホを使わない人におすすめで、SNSの閲覧やたまにネットを見るくらいの利用なら、格安SIMでもキャリアに劣らないので十分です。また、普段あまり通話をしない方にもおすすめで、格安SIMでは、通信料に比べて通話料が多くかかる場合が多いので、通話メインに使っている人には向いていません。
キャリアの利用経験がなく初めてスマホを使う人にも、実は格安SIMがおすすめです。
特に、祖父や祖母、お子さまにスマホを持たせるなら格安SIMは十分に選択肢に入り、月額の料金が安いのでお財布に優しいこともあり、シニアやジュニア向けのオプションにも加入しやすいですよ。
格安SIMのデメリットとは
- 通話をメインに利用している人
- サポートやショップをよく使う人
- キャリアの縛りがまだ続いている人
メリットでも紹介した通りに、通話をメインに利用している人に格安SIMは向いていません。ただ、最近ではかけ放題オプションが充実しているので、通話スタイルによっては問題ない例もあります。
キャリアを契約している時によくサポートやショップを使っていた方は、格安SIMが合わない可能性も大きいです。手厚いサポートや各地にショップを展開する格安SIMは増えていますが、それでもキャリアの手厚いサポートに劣るケースも多く見られるからです。
また、キャリアの2年縛りがまだ続いている方にもおすすめできません。解約料や端末の割賦金が発生する上に、格安SIMを契約する際の初期費用も発生しますので、必ず、2年縛りの更新のタイミングで格安SIMに移行するようにしましょう。
格安SIMはどうやって使うの?
格安SIMの選び方
格安SIMと言っても回線の大元はドコモ、au、ソフトバンクに頼っていますので必然的に、繫りやすさはドコモ、au、ソフトバンクの電波がカバーするエリアに準ずる形となり、サービスの性質上、ドコモ、au、ソフトバンクが採用している電波であっても格安SIMでも全く同じように使えるというわけではありません。場合によっては格安SIMでは使えないようになっている電波もあるので、格安SIMの電波カバーエリアの方が少し狭くなっている場合もあります。
格安SIMに乗り換える手続き方法
MVNOの提供する格安SIMの料金プランやサービスを十分に検討したらMNP (ナンバーポータビリティ) を利用して、乗り換え先のMVNOでも今の電話番号を引き続き使いたいという場合の手続きに移行しましょう。
まず、MNPで乗り換える際の全体の流れを確認していきます。
MVNOへのMNPによる乗り換えの場合、全体で1週間程度を見込んでおきましょう。そのうち数日は配送期間となります。
MVNOで回線切り替えが終了した後、配送期間の間は手元のスマホや携帯電話が使用できなくなります。
契約中のキャリアでMNP予約番号を取得!
MNPの最初の手順は 「MNP予約番号の取得」 からで、転出元の携帯電話会社 (今回の場合はキャリア) で発行してもらうことができます。
MNP予約番号の発行には手数料がかかり、キャリアによって、多少金額は異なりますが、2,000円から3,000円程度です。
この手数料については、契約最終月の使用料金等とともに清算される場合が多くなっていますので、その場で必要という訳ではありません。MNP予約番号の取得窓口についてですが、基本的にはキャリアの 「マイページ」 (webサイト) やサポートセンター等の電話窓口、ショップ店頭で手続きすることができます。
MNP予約番号には15日間の有効期限が設けられています。
配送期間分余計に乗り換え期間が必要なMVNOでは、10日以上の有効期限が残っている状態で余裕を持って手続きするようにしましょう。
MVNOへのMNPの際に必要なもの
MVNOのwebサイトの申し込みフォームで、事前に取得したMNP予約番号等を入力し、格安SIMの契約をします。
契約が完了すると、キャリア側の契約も自動的に解除される流れとなるのですが、申し込みの際に必要なものを整理しておきましょう。
MNP手続きに必要なもの
- MNP予約番号
- 運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
- クレジットカード
以上の3点ですが、クレジットカードについてはMVNOによってはデビットカード対応可能な事業者 (楽天モバイル等) があったり、口座振替対応可能な事業者 (OCNモバイルONE) もありますので、事前に確認しておきましょう。
前述のようにMNP手続きに不可欠な 「MNP予約番号」 の発行手数料2,000円程度の費用が転出元携帯電話会社から請求されます。
また、MNPに関わらず契約する携帯電話会社で 「契約事務手数料 (3,000円程度)」 が必要ですので、総額で5,000円程度の諸経費がかかることを確認しておいてください。
MNP転出には「違約金」の発生しない「更新月」を確認
キャリアの料金プランでは2年間の長期契約を選択することができ、このような長期契約の代わりに、購入した端末代金のほとんどを割り引いてもらえるメリットがあるので、多くのキャリア契約者が 「2年契約」 を結んでいます。
継続して使う場合は、キャリア・ユーザー双方にメリットのある契約ですが、契約期間中に解約する場合 (MNP転出含) には足かせになってしまいます。
実際、期間中の解約には約1万円の解除料(違約金)がかかりますが、解除料が発生しない 「更新月」 は、キャリアホームページの 「マイページ」 等で確認することができます。